第205章 美人、連絡先を交換しない?

橘結衣はスマホをしまい、薄く笑った。

「ちゃんと聞こえた?」

いま彼女が使っているのは、組織の端末だ。ハイテク仕様で、24時間、音声を記録し続ける機能まで付いている。

まさか、こんな形で役に立つとは。

橘界人は、急に言葉を失った。

橘結衣が横田大輝をたぶらかし、婚約相手を自分にすげ替えさせるつもりなのだと――そう思い込んでいたのに。

ところが当の橘結衣は、そもそも横田大輝と結婚する気がない。

それは、さすがに想定外だった。

橘界人は唇を引き結び、改めて口を開く。

「……意外と分かってるじゃないか。自分が横田大輝に釣り合わないってな。お前が横田大輝を好きじゃないなら結構。横田...

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